世界的優良企業の実例に学ぶ「あなたの知らない」マーケティング大原則/足立光・土合朋宏

世界的優良企業の実例に学ぶ「あなたの知らない」マーケティング大原則』。

著者の足立氏はP&Gと日本マクドナルド出身。土合氏は日本コカ・コーラ出身。いずれも日本法人のローカル色の強い外資系企業なので、「大企業の日本法人におけるコンシューマーマーケティング分野の仕事の仕方」について学べる内容になっています。

日本市場におけるマーケティングの実務・実例即して学びたい方におすすめの一冊です。

P&Gの事例については、北米市場の事例とあわせて学ぶとより面白く、理解が深まります。

ジム・ステンゲル著『本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えた世界のトップ企業50』をあわせて読むことで、P&Gが北米市場だけでなく日本市場においても、組織マネジメントという点で同様の過ちを犯していたことが分かります。

*

この本の良い点は、日本人著者による著作ということで、より日本市場の現場に即した体験談の紹介が主となっている点です。

例えば、有名人をCMに起用する「セレブリティ・マーケティング」については、費用対効果の観点から著者はおすすめしないとしていますが、このような見解は日本市場ならではのものです。

また、マクドナルドが「100円コーヒー」によってカフェ市場への参入で成功を収めた事例も、日本特有です。「100円コーヒー」で大成功を収め、喫茶店からシェアを奪ったマクドナルドですが、やがてはコンビニが後発で「100円コーヒー」を大々的に打ち出し、マクドナルドのシェアを奪い始める、といった事例です。

 

私は普段、洋書や翻訳書のビジネス書を読むことが多いのですが、本書で語られる「日本語のトンマナ事例」などは、やはり日本人著者による本・情報でしか感覚が掴めないものだなと感じました。

 

他にも、マーケティング施策としてのネーミングにおいては、昔から小林製薬が秀逸で、「熱さまシート」「ブレスケア」といった分かりやすいネーミングの商品を多数輩出してきたことなど、日本人の感覚からして、腑に落ちる解説がされています。

日本人の現場に即したマーケティングを学びたい方には、やはり日本人著者の本は良いものです。

 

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)』著者の西口 一希さんとの対談付きです。

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *