スターバックスのライバルは、リッツ・カールトンである。/岩田 松雄 ・高野 登

スターバックスのライバルは、リッツ・カールトンである。本当のホスピタリティの話をしよう (角川書店単行本)』という本を読みました。

日本のスターバックスは、世界各国のスタバの中でも独自のマーケティング戦略を実現していることで有名です。

 

 

著者の岩田 松雄氏は、元スターバックスジャパン・CEOです。米国に倣うのではない、日本独自のブランド戦略という視点でスターバックスでの経験が描かれており、とても斬新です。海外のビジネス書でも幾度となく登場するお馴染みの企業ですが、日本では特に独自路線でのブランド戦略がとられていたことが分かる一冊です。

スターバックスというと「世界どこでも同じクオリティが担保されている」というイメージを私たち日本人は抱きがちですが、スターバックスジャパンがいかに努力して日本独自の工夫をし続けてきたのか、よく分かります。

以下、特に印象的だった点です。

 

割引をしないのは、ブランドの価格を顧客との「お約束」として捉えているため。

スターバックスジャパンでは、価格が簡単に上下してしまったら、顧客に対して約束違反になってしまうと捉えています。これはルイ・ヴィトンも同様で、ディスカウントで5%以上価格を変動させることは基本的にしない。これが顧客にとっての安心につながると、スターバックスジャパンでは考えているようです。

割引しない理由を、ブランドを顧客との「お約束」として捉えているという発想は斬新でした。確かに、今日購入した商品が、明日に大幅に割引していたら、顧客としてはがっかりしてしまいます。既存顧客をがっかりさせないための工夫が、割引しないということなのです。

 

日本ではほとんどの店舗を直営店として運営。

日本では1000店舗中、フランチャイズは5店舗ほどしかなく(2013年時点)、そのために社員教育が店舗にかかわらず行き届いているといいます。空港内やJR構内など、規制上どうしても直営店舗を出せない場所のみ、フランチャイズでの運営を許可しているとのことです。これは知りませんでした。

一方、米国では全米11000店舗のうち、4000店舗がフランチャイズであるため、店舗によってサービス・味のクオリティにばらつきがあるといいます。

米国のスターバックスでフランチャイズ店舗が多いことは、今まで知りませんでした。確かに、ニューヨーク在住時、スターバックスの店員のサービスの質の低さにがっかりした記憶があります。カフェ激戦区でブルーボトルコーヒーをはじめ珈琲店がひしめく米国都市部では、スターバックスの人気は必ずしも高くはありません。そもそも、あまりに店舗が多すぎる、というのもあるでしょう。

そういえば昔、旅行で訪れた中国・深圳のスターバックスで、フラペチーノが水みたいに薄くて、ほとんど味がせずにがっかりした記憶があります。今になって思うと、おそらくフランチャイズ店舗だったのでしょう。

 

離職率の低さが逆に問題になるくらい、辞める社員が少ない。

スターバックスジャパンでは、あまりにも辞める社員が少ないため、「管理職の空きポストがなかなかできない」「正社員を望むにも関わらず、ずっとアルバイトのままという店員が出てきてしまう(スターバックスが好きすぎて、アルバイトでもいいから働き続けたい人も多い)」という状況が生じているといいます。

世の中では離職率の高さについて嘆く企業が多いご時世で、離職率の低さが人事上の問題になるとは、贅沢な悩みという気もします。従業員にとって、そんなに居心地のいい環境を提供し続けられる企業は、なかなか存在しません。素晴らしいです。

 

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