習慣の力/チャールズ・デュヒッグ

チャールズ・デュヒッグ著『習慣の力』。世界的名著です。
(原著:The Power of Habit: Why We Do What We Do in Life and Business)

 

人間や社会の「習慣」のメカニズムについて、ここまで科学的な観点から描かれた本は他に類を見ません。ギャンブル依存症の人の生活習慣など個人にとっての習慣のほか、企業マネジメントにおける習慣、公民権運動の勃発に寄与した社会における習慣など、様々な観点から「習慣」のメカニズムが分析されています。

そして、マーケターにとっても消費者行動を理解する上で、非常に有意義な本です。

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コーネル大学の研究によると、シナボン(シナモンロール)の販売業者にとって、ショッピングモール内のどこにを商品を設置するかが重要であるといいます。フードコードの他の売店からあえて離れた場所にシナボンを置くことにより、ショッピングモール内の通路や角にまでシナボンの匂いを漂わせることができるようになり、消費者の購買意欲を駆り立てることができます。

 

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2000年代初頭、米ターゲット社(米国スーパーマーケットのチェーン店)では、既にデータを活用したマーケティング手法が主流になっていました。顧客の会員IDに紐づき、消費者の年齢・性別・年収そして購買履歴といった様々な情報から、消費者行動を分析する行動ターゲティングの手法が確立されていました。

 

たとえば、コーヒーを大量購入するユーザー層は、ポテトチップスを大量購入するユーザー層と重なることは通常ありません。

シリアルを購入するユーザーであれば、ミルクも同時に購入したいと思っているはずです。ところが、もしシリアルのみ購入しているユーザーがいれば、ミルクは他の場所で購入していると予測することができます。

そこで、シリアルのみを購入したユーザーに対し、ミルクの割引クーポンを送付する、というマーケティングキャンペーンが成立します。

 

こうした過去の購買履歴にもとづき、割引クーポンをメール配信するといった手法が20年も前に確立されていたのは、さすがターゲット社です。

 

そのほか、「売れない楽曲をラジオで定着させ、人気を高めるにはどうしたらいいか?」「米国公民権運動に、社会の習慣がどのような影響を与えているか?」などといった分析も非常に興味深かったです。

マーケターにおすすめの一冊です。

 

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